食べ物を無駄にするな!
食べ物を無駄にしてはいけないという価値観を考え直すべき理由
「食べ物を無駄にするな」や「もったいない」という考え方は、もう一度見直す必要があるかもしれません。
そもそも人間は、食べ物を無駄にすることに対して嫌悪感を感じるように進化してきました。かつて人類が狩猟採集をしていた時代、いつ次の食事にありつけるかわからなかったため、食べられるときにはできるだけ多く摂取することが重要でした。その結果、「たくさん食べるのは良いこと」という価値観が生まれ、食べ物を粗末に扱うことには本能的な拒否反応を持つようになったのです。
しかし、現代は農業や産業が発展し、私たちはいつでも比較的簡単に食事を取れるようになりました。飢えることはほとんどなく、食べ物を無駄にしないことに対する強い嫌悪感は、もはや時代遅れな本能の名残とも言えるでしょう。これは、甘いものを過剰に摂取して肥満になってしまうのと同じように、現代ではもはや適応的でない行動です。
だから、もし嫌いな食べ物が出たときに、無理に食べる必要はありません。むしろ、その食べ物で遊ぶことで嫌悪感を乗り越えられるのであれば、それも一つの手段です。
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「アフリカの人が〜」という道徳的プレッシャーの不合理さ
よく、食べ物で遊ぶ人に対して「アフリカでは食べられない人がいるんだから、食べ物を無駄にするな」と言う人がいます。しかし、これは論理的におかしい指摘です。アフリカの飢餓と、目の前の誰かが食べ物で遊んでいることには、何の因果関係もありません。
本当のところ、人は食べ物で遊ぶのを見ると嫌悪感を抱きます。だから、その行動をやめさせたくなる。しかし「それは嫌だからやめてほしい」とはっきり言えず、代わりにアフリカの人々を引き合いに出し、罪悪感を利用して道徳的なプレッシャーをかけているのです。これはある意味で洗脳に近い行為であり、合理的な説明とは言えません。
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新しい価値観への期待
こうした無自覚な道徳の押しつけから解放され、食べ物で遊んでも嫌悪感を抱かないような社会が来ることを願っています。価値観をアップデートし、時代に合った行動や教育がされる社会のほうが、人間らしく自由であるはずです。